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金融危機の中日貿易に対する影響

               ——農産品の貿易をめぐって

要旨:2008年の金融危機は世界経済に大きな影響を與えていた。中日貿易もそのために一時的に低迷狀態に入った。本稿は農産品貿易を例として、その影響を分析する。第一章で、2008年の金融危機にもたらしてきた中日貿易の影響について少し説明する。第二章で、農産品貿易に対する影響を分析する。まず、従來の中日農産品貿易狀況を紹介する。それから、具體的な影響を検討する。第三章で、當時の中日両國の対応政策を簡単に説明する。最後に、中日貿易発展の見込みについて、私見を表したい。

はじめに

一.2008年の金融危機にもたらしてきた中日貿易の影響

二.金融危機にもたらした中日農産品貿易の影響

2.1中日農産品貿易の狀況

2.1.1.中日農産品の潛在的な相補性

2.1.2両國農産品貿易の狀況

2.1.3両國農産品貿易の摩擦

2.2金融危機からの影響

2.2.1貿易量の下降

2.2.2日本経済の不況と対中輸入需要の縮まり

2.2.3中國から日本資金の減り

2.2.4中國農産品の対日輸出から國内販売へ

三.対応対策

3.1.1市場に向けて、農産品の開発

3.1.2中日の中小企業に対する支援政策

3.1.3中國政府の外資誘緻政策の強化

結びに

 

はじめに

2008年のアメリカ発金融危機発生以來,世界規模で,全産業に大きなマイナスの影響を及ぼしていた。國際貿易,國際投資,國際資本市場なども金融危機の深刻化により大きなダメージを受けていた。當然,中國の輸出貿易も今回の金融危機により,大きな影響が出た。中國と日本はともに、アジア、さらには世界に重要な影響力を持つ國である。中日貿易はすでに、両國の範疇を大きく超えたものとなっている。中國は日本から技術力の高い部品を輸入し、國内で組み立てた後、米國や歐州といった最終消費地に輸出している。このようにして、『日本·中國(東南アジアなど新興市場経済體)·歐米)』の三角貿易構造が形成されている。つまり、経済グローバル化の中で、中日両國はすでに、世界貿易・世界経済と緊密に一體化しているのである。

2008年に金融危機があって、中日貿易はそれによって、大きなショックを受けていた。本稿は農産品貿易を例として、具體的な影響を分析する。2010年に入ると、金融危機の中日貿易に対する影響は次第に消えていく。ところが、當時の対応策から、中日貿易今後の発展に役立つ啓示が得られると思っている。本稿はこのような研究を通じて、中日貿易に対する理解を深めた上で、中日貿易発展のために、いささかでもよいが、役立てば幸いに存じる。

 

一.2008年の金融危機にもたらしてきた中日貿易の影響

  アメリカの金融危機は2006 年の春から始まる。2006 年に入り,アメリカの住宅価格の下落が続いたにもかかわらず,米連邦準備理事會(FRB)が連邦基金の利率を17 回も上げ,最終的に5.25%まで引き上げた。こうして,サブプライムローンの返済利率も上がり,住宅を購入した人々に大きな負擔となった。住宅市場の不景気のため,住宅の再売買及び住宅を通じての融資が難しくなってくることにより,多くのサブプライムローン債務者は返済が滞り,サブプライムローンの違約率が上昇する一方であった2007年のサブプライムローン問題に端を発した米國住宅バブル崩壊をきっかけに、多分野の資産価格の暴落が起こっていた。米國の名門投資銀行であるリーマン・ブラザーズも例外ではなく、多大な損失を抱え、2008年9月15日に連邦破産法第11章の適用を連邦裁判所に申請するに至った。このためにリーマン・ブラザーズが発行している社債投信を保有している企業は大きな影響を受けていた。このような影響が取引先に波及し、連鎖悪影響が続いた。更にアメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機を引き起こした。日経平均株価も大暴落を起こし、6000円にまで下落した。金融市場の混亂が各國と地域の実體経済に與える影響は一気に深刻化した。歐米、日本などの先進國の経済はマイナスな成長を示した。中國も6.8%の成長であり、景気後退基調が鮮明になった。

世界経済減速の影響が著しかった。このような背景の下で、日中貿易の輸出入総額の推移を単月でみると、10月までは2ケタの伸びを記録してきたが、11月、12月はそれぞれ4.7%減、10.0%減と減少に転じた。なお、2カ月以上連続で総額が前年同月割れとなったのは2001年8月-2002年1月以來、約7年ぶりである。

対日輸出は日本の内需低迷によって、減速感がより一層強まっていた。2008年に日本への輸出は1,422億9,213萬ドル(11.5%増)となった。舊正月の影響を受ける2月以外は各月ともに前年同月比でプラスとなったものの、11月、12月は日本の内需低迷が響き、ほぼ橫ばいとなった。

対日輸入はほとんどの品目で伸び悩んだものの、建機などが底堅かった。日本からの輸入は1,241億551萬ドル(13.8%増)となった。単月で見ると、10月までは前年を上回って推移したが、11月、12月はそれぞれ12.4%減、23.9%減と2ケタのマイナスとなった。最終消費地である日米歐市場への中國からの完成品輸出が落ち込んだことから、それら完成品に使用される電子部品、有機化合物など原材料、部品の日本からの輸入が減少、さらに中國の内需の減速に伴い、自動車などの消費財や生産財の輸入も減少した。 通年で減少となった品目としては、歐米でのアパレル需要の減退もあり、繊維機械およびアパレルの原料となる有機化合物が大幅に減少した。また、世界的なハイスペック電子製品需要の落ち込みによって、當該製品に搭載される日本製のハイエンドICなど半導體等電子部品が9月以降に減少基調となった。鉱物性燃料、旺盛な自動車、家電向けの需要を背景としての輸出が伸びた鉄鋼は2008年9月以降には、その伸び率が鈍化した。また、自動車輸出は堅調に推移していたが、12月単月ではマイナスに転じた。通年で堅調だったのは大型機を中心とする建設機械とそのキーコンポーネントであった。住宅などの不動産需要は減退したものの、大型投資プロジェクト向けがそれを牽引した。

二.金融危機にもたらした中日農産品貿易の影響

本稿は大きな影響を受けてきた農産品の貿易をめぐって、具體的な分析を展開しよう。まず、従來の中日農産品貿易の狀況について少し説明する。

2.1中日農産品貿易の狀況

2.1.1.中日農産品の潛在的な相補性

中國と日本はお互いに貿易した歴史が長く、特に農産物の貿易はその中で最も重要な一つである。中日両國國内農業の現狀によって農産物の需要と供給は中日農産物の互補性を決まる。

まず、中國の農産品の現狀を説明する。中國の小麥、コメのように主要な農産物の生産量は世界で一位となっている例が多く、それ以外でも、落花生、茶、亜麻、羊肉、豚肉、鶏卵などが世界一となっており、數字を見る限り、中國は紛れも無く農業大國といえるが、13億の人口を養う中國の農業にとっては、まだ足りてはいないと思われる。人口の増減に伴い、食料の需要も増えている。そして、國民の収入の高まりにより、農産品の需要構成に変化が生じ、肉・鶏卵・牛乳などの高級農産品の消費數が多くなっている。農産品の需要は多様化と上質化ような動向がある。現在、中國政府は従來の穀物生産重視型の生産體制を転換し、野菜・果樹・養殖業など換金性の高い作目に比重を置くととともに、輸出にも積極的に取り組み、農業の生産性向上を図っている。

そして、日本の農産品の現狀について少し述べよう。まず、食料自給率については、次のような現狀である。『我が國の食料自給率は長期にわたって低下傾向で推移しており、供給熱量総合食料自給率は1965年度の73%から99年度には40%に、穀物自給率は同期間に62%から27%へといずれも大きく低下している。』『現在、主要先進國のなかで最低の水準となっている。』(農林水産省 『食料・農業・農村白書』 2000年版により)日本の食料自給率が低い。日本農産物の輸入は、年間約4兆円の世界第1位で、2位のドイツの3倍である。よって日本は、農業を守るために輸入農産物に関稅をかけて末端の価格を維持するという政策を取ってきた。その最たるものはコメである。輸入制限をして國内では國際相場の約8倍という価格を維持してきた。

だから、中日両國の農産品の現狀によると、両國は強い潛在的な補完性を持っていると言えるだろう。また、地理的な関係でも、かけがえない便宜性がある。

2.1.2両國農産品貿易の狀況

中日両國は地理的な関係でも、また経済貿易の面でも、他國が替わることはできない地位と補完的役割をもっている。1972年の國交回復から、中日両國間の貿易が拡大し続けている。1993年から1995年までの間に、両國の貿易額は年平均百億ドルの増加を実現し、1996年には600億ドルに達していた。1998年に日本の不景気やアジア金融危機などの影響を受け、中日貿易額は初めてマイナス成長を記録したが、1999年に600億ドルに回復し、そして2000年に857億ドルに達している。現在、対日貿易が中國対外貿易総額の18%を占め、日本が中國の最大の貿易相手國となっている。これに対して、日本にとって、中國はアメリカの次に位置する第二の貿易相手國である。このような貿易狀況の下で、中日農産品貿易は発達している。現在、魚介類及び同調製品と飼料が日本から主な輸入農産品で、水産物、肉類及び同調製品と野菜などが中國の主な輸出品である。特に1985年から貿易総額が急に上ってきた。2003年、中國対日農産品の輸出総額が7千億円になっているが、この十年間日本市場の8%-10%を占めるだけである。貿易品の構成からみると、日本は主に中國から水産物と野菜を輸入する。以下では、三つの実例である大豆、お茶、水産物をもって、両國農産品貿易の狀況を説明する。

(1)  大豆

大豆の原産は中國大陸北方で、日本には7~8世紀にはすでに伝わっており、裁培もされていたようである。納豆、豆腐などの加工食品も中國から伝わり日本の食生活には欠かせぬものになった。世界各地で生産されているが、米國、ブラジル、中國、アルゼンチンの4ヶ國で、世界の生産量の90%以上を占めている。

日本の大豆自給率は、戦前で20%、近年ではおよそ2%程度となっており、2001年産の大豆は、27萬1千トンが生産されており、食品用の自給率は26%で、全體では5%となっている。その大部分を米國、ブラジルと中國から輸入に依存している。

日本での大豆の用途は、搾油用と食品用に分けられ、年間400萬トン以上消費されている。搾油用は、米國から輸入されるオーディナリーと呼ばれる大豆で、製油メーカーは大豆油と大豆ミール(大豆粕)(主として飼料用)に加工している。食品用は、年間90萬トンぐらいで、米國、中國などから輸入しており、納豆、味噌には中國産大豆が、その他には米國産大豆がおもに使用される。

(2)お茶

お茶は平安時代から中國に留學していた僧によって団茶が伝えられており、安土桃山時代の千利休が茶の湯の作法を定め、茶道を確立している。

『日本國内における緑茶の消費量は、1981年には955グラムとピークに達した。これ以降は、生活様式の変化や食生活の多様化などにより、2000年における1人當たり消費量はピーク時の約4/5の765グラムとなっている。』(小澤朗人 『靜岡県茶業の現狀』 2000年)

近代日本お茶の輸出は1859年橫浜開港と同時に輸出を始めて、1967年、日本での緑茶輸入開始。いま日本國内の茶生産量は9萬グラム弱なので、國内で消費される茶の3分の1は輸入されていることになる。緑茶の輸入は、中國から1萬2千トン餘と國内消費量の12%に上っている。

(3)水産物

周囲を海に囲まれた日本では古くから食生活における重要なタンパク質供給源として水産物を食料として利用してきた。現在の食生活においては魚介類は動物性タンパク質供給量の約4割を占めるといわれ800~900萬t程度を消費している。また、世界の中で日本の國民1人當たりの魚介類供給量は世界で4番目の水準である。

しかし、日本の漁業生産量は、水産資源の減少や漁業後継者の不足、國際的な漁業規制の強化によって減少の傾向にある。このような狀況の下で中國からの水産物輸入は増加している。2002年の日本の水産物輸入は、2001年に比べて8%増加し382萬トンになり、金額ではほぼ前年並みの1兆7,237億円となっている。國際的にみると、日本は、世界の水産物貿易において、輸入額の26%、輸入量の13%を占め、引き続き世界最大の水産物輸入國となっている。また、水産物の輸入先としては、中國が、1999年から、數量や金額ともに最大となっている。中國は、近年、水産物輸出國としての地位を高め、2001年には金額ベースで世界第2位の輸出國となっている。

 

以上の説明から見ると、中日農産物の貿易は互補性が強い。數十年以來、中國の農産物にとって日本は最大の輸出市場であり、ここ數年その輸出額は毎年40億ドルを超え、中國の農産物輸出全體の約3割を占めている。

2.1.3両國農産品貿易の摩擦

中國の農産物にとって日本は最大の輸出市場であり、ここ數年その輸出額は毎年40億ドルを超え、中國の農産物輸出全體の約3割を占めている。中國の農産物の品質面や価格面での競争力が増すにつれ、対日輸出は増加一方である、市場シェアはますます拡大し、日本の農民や関連産業・協會の不評を買ってきた。2001年4月23日、日本は中國産ネギ、生シイタケ、畳表(たたみおもて)の農産物3品目に対して、緊急輸入制限措置(セーフガード)を発動した。4月23日から11月8日までの200日間、日本に輸出されるネギ、生シイタケ、畳表の量が日本が決めた割當量を超えた場合、関稅を現行のそれぞれ3%、4.3%、6%から256%、266%、106%という驚くべき率に引き上げるというものである。中國のネギ市場がセーフガードの影響で大きな打撃を受けている。

 

2.2金融危機からの影響

2.2.1貿易量の下降

中國稅関の統計によると、2008年の金融危機以來、対日輸出増加のスピードが遅くなった。2008年には前年の1.7%伸びから7.8%減りへ逆転してしまった。これは2003年以來の対日輸入増加狀況の終わりを告げたのである。以下では、主な輸出品である水産品、野菜、畜産物について、分析を行う。

(1)水産品。2008年に中國の対日輸出水産品は64.7萬トンであり、前年同期比10.4%が減った。輸出総額は27.7億ドルであり、前年同期比5.8%が減った。中國農産品輸出総額を占めるシェアは6.8%であり、前年と比べ、1.1%が減少した。

(2)野菜。野菜の輸出量は117.9萬トンであり、前年同期比17.9%が下降した。輸出総額は14.4億ドルであり、前年同期比9.1%が減った。中國農産品輸出総額を占めるシェアは3.6%であり、前年と比べると、0.7%が減った。

(3)畜産物。対日輸出畜産物は25.8萬トンであり、前年同期比30.6%が減った。輸出総額は11.0億ドルであり、前年同期比14.2%が減少した。しかし、中國農産品輸出総額を占めるシェアは2.7%であり、前年と比べると、0.8%が増えた。

また、地域からみると、浙江省以外に主な輸出省の輸出量は減少の傾向にあった。2008年に、中國で対日輸出量は前の五位を占めたのが山東省、遼寧省、浙江省、福建省、江蘇省であった。山東省の輸出総額は27.4億ドルであり、前年同期比5.6%が下降した。遼寧省のは9.2億ドルであり、前年同期比3.9%が減った。浙江省は8.6億ドルであり、前年同期比2.1%が増えた。これは水産物対日輸出の増加によるものである。福建省は6.4億ドルであり、前年同期比大幅に20.8%が下降した。江蘇省の対日輸出総額は広東省を取って代わり、去年の第六位から第五位までになり、3.6億ドルであり、前年同期比13.9%が減った。

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